ピザ豆知識

イタリア・ナポリで生まれた郷土料理

今や世界中で一番ピザを食べているのはアメリカです。ハンバーガー、フライドチキンと並ぶファースト・フードとして子供からお年寄りまで、多くの人に親しまれているピザは、19世紀後半、イタリアからやってきた移民が家庭で作り始めたのがそのルーツです。パン用の生地の残りで焼き始めたピザは、本場ナポリの薄焼きのものより生地は厚めでした。20世紀の前半、北アメリカではピザの店が増えてきて、後に流行するエスニック料理の先駆けとなりました。

第二次大戦の後は、ニューヨークでピザの切り売りが大流行、1960年代には、ピザメーカーも誕生しスーパーにも冷凍のピザが並び、アメリカ人の好きな食べ物のひとつになりました。

時代と共に進化する日本のピザマーケット

ピザ4分割

日本にピザが紹介されたのは昭和30年頃。都心のおしゃれなピザレストランが若者の間で話題となり、ピザは最先端のファッションとして注目されました。一般の人にも知られるようになったのは少し遅れて東京オリンピックを契機とした高度成長期の頃となります。

昭和40年代には先駆的なピザメーカーが登場し、『西洋のお好み焼き』だと説明しながらアメリカでの流行を追って販売に入りました。その後ファミリーレストランの人気とピザの人気は相乗効果で急上昇、また大手食品メーカーもピザ製品を開発して、冷凍・チルド(冷蔵)の商品も多彩に揃い、一種のピザブームがやってきました。ピザはもう子供からお年寄りまで誰でも知っているおいしい食べ物になりました。

そして昭和60年代に入ると宅配ピザの登場で第2次ブームと呼ばれる人気となりました。それまでどちらかというと若い人のスナック、子供のおやつといった感覚で捉えられたピザでしたが、第2次ブーム以降は、おいしい食事として人気が高くホームパーティの主役になることもしばしばです。

ピザに使うチーズの種類にお国柄が表れる?

チーズナポリで誕生した当時のピザには水牛の乳から作るモッツァレラチーズが使われていました。これは、ミルクの味に近い風味と真っ白い色でトマトソースやトッピングを引き立てます。焼きあがりも美しく、もちろんピザの食欲をそそる糸を引く特徴も備えています。

アメリカでは牛乳から作るモッツァレラチーズが主流。日本のピザはというと、本場モッツァレラのほかに、日本人好みの味であるオランダのゴーダチーズや、デンマークのマリボー、サムソー、ドイツのステッペン、ニュージーランドのエグモント、など嗜好に合った舌になじみやすい味になるようブレンドして使うことも多く、風味やコクなどの研究も進んでいます。